おすすめ本(書評・感想)

食べることでしか解消できない不安があるなら、おすすめの本「なぜふつうに食べられないのか」【書評・感想・レビュー】

「なぜふつうに食べられないのか」

ふつうなら考えもしないこの言葉に、
少しでも心当たりがあるなら、
きっと読む意味がある本だ。

先日読んだ「ダイエット幻想」
と同じ著者の本。

読んだ感想はこちらなので、
今回の記事の後にぜひ。

食事も人生も辛い人におすすめの本、ダイエット幻想【書評・感想・レビュー】 食べること、 楽しめていますか? つらいと感じていますか? ダイエットと言えば、 カロリー制限や、 糖質や脂質制限...

「ダイエット幻想」
の中に登場したこの本を、
有言実行ですぐに読んだので、
思うことを。

食べることでしか解消できない不安があるなら、おすすめの本「なぜふつうに食べられないのか」【書評・感想・レビュー】

正直、読み進めるのが苦しかった。
もちろん、本が悪いのではなく、
本がいいから、だ。

自分のことと重ね合わせ、
過去の色々が鮮明に思い出され、
今なお続くそれらが押し寄せてくる。

それだけ、リアルだ。

当事者のインタビューが多く、
人の数だけある事象は、
どれも他人事でないから、
自分の苦しみのように、苦しい。

完璧に理解できなくても、
自分と同じでなくても、
「分かる」と思う。

やはり自分は「そう」なんだと思う。

そうでなければ、
「知らない」ことだと思う。

例えるなら、

ショートケーキを食べたことがなければ、
その味、魅力は分からない。

食べたことがある人同士なら、
感想は様々であっても、
「分かる」となることが多いだろう。

食べたことがなければ、
分からない。
知らない。

だから、
他人事ではないことを、
体験談の数だけ思い知る。

私だけではないと思えることは、
孤独でなくなると共に、
私と同じように(いやもっと深く)
苦しむ人がたくさんいることでもあり、

余計にしんどくもある。

だけど、
苦しくても、
読んでよかったと思えるから、

もし今しんどいなら、
気になる項目だけでも読んでみると、
救われることが多いと思う。

本「なぜふつうに食べられないのか」を読んで自分も書いてみた、よい食べ物・悪い食べ物・過食リスト

・よい食べ物
・悪い食べ物
・過食リスト(入手先/入手法・内容)
が、5名分登場する。

なるほど納得…
と思い、私も書いてみた。

<私の中でのよい食べ物>

・野菜
・果物
・魚
・タンパク質
・加工度の低いもの
・本物のオリーブオイル
・分づき米や雑穀米
・得体の知れているもの
(成分表で確認して許可したもの)

私の中での悪い食べ物

・加工度の高いもの
・植物油脂
(マーガリンやファットスプレッドなど)
・添加物全般
・コンビニやスーパーの菓子パン
・コンビニやスーパーのスイーツ
・ファーストフード
・ピザ
・得体の知れないもの
(成分表で確認してNGなもの、低価格帯の外食など)
・お菓子
(カカオ70%以上のチョコレートはOK)
・小麦粉
・白米

過食リスト(入手先/入手法・内容)

・実家 / 実家にあるものを限界食い

実家で出された色々なものをたくさん食べる。
手料理なども食べるが、それに加えて、
「普段食べないようにしているもの」
「普段食べてはいけないもの」
「悪い物」
をここぞとばかりに食べていく。
長時間食べていられるタイプなので、
下手したら12時間くらい断続的に朝から晩まで食べる。
汚実家あるあるでたいてい期限切れ食品オンパレードなので、
チェックして回っては食べられるなら食べる。
自分が食べなければ誰も食べないでそのままホコリをかぶるか腐るか、
「自分がたべないとゴミになる」と思いながら食べるし、
おいしくない上期限切れによりさらにおいしくないことも多く、

「ゴミを食べている」みたいな気持ちにもなる、
けど捨てられず食べてしまう
菓子パンやお菓子が多い。
おいしく食べていれば問題ないが、おいしくなくても食べてしまう。

・自宅 / 実家でもらってきたものを限界食い

なるべくもらわないようにしているが、
「うちじゃ食べないから」と、
「不要なもの」を「押し付けられて」持ち帰る。
菓子パンやお菓子が多い。
おかしくなると「自分から進んで」もらうこともあり、
下手したら、実家ですでに夜遅くまで食べ過ぎているのに、
帰宅した深夜に立ち食いしてしまう。
実家であっても限界の一歩手前までにとどめたり、
やはり家族であっても人目を気にしてとどめるため、
帰り道で「もらったこれを帰ったら食べよう」と思いながら帰ったりする。
眠いのに、気持ち悪いのに、止められない。
少しずつ食べることができず、近日中に一気に食べてしまう。

・自宅 / 焼き芋

紅はるかやシルクスイートをオーブンで焼いて、
冷凍しておいたものを少しずつのつもりが、
食べ始めると食事と別で800gとか食べてしまう。

・自宅 / 米

自分で炊いた米がおいしいのもあるが、
100gずつにラップで包んでおいても、
次から次へと食べてしまう。
塩や醤油などをかけただけでも食べてしまう。
米なら、お菓子より悪くないし、と、
最大3合弱、気持ち悪くなるまで食べる。

・自宅 / ミックスナッツ

少量ずつ皿に出してはみるが、
次から次へと追加してどれだけ食べたか不明になる。
おそらく10皿くらいだから200gや300gくらい?
はちみつがある時にはそれをかけるとさらにおいしく、
さらに無限になる。

・ビュッフェ / 食事からスイーツ全般

一時期、毎週のようにスイーツビュッフェに行っていた。
甘い・しょっぱいの無限ループ。
今は金銭的にもだが「悪い食べ物にお金を払いたくない」
と思うようになったので頻度はだいぶ減った。
が、行く時には食べ癖が戻るし、
食べても食べなくても料金は同じだし、限界まで食べる。

・自宅・実家 / 詰め込めればなんでもいい

もらいものの菓子パンやお菓子、
もらいものの海苔1缶など、なんでもいい。
タダでもらったものであるほど雑に詰め込む。
おいしく食べていればいいけど、基本感じなくなり、
作業のようになっているときが危険信号。
おいしくなくても滅多に捨てられず詰め込んでしまう。
おいしくないからより一層イライラするし満足もしない。
目の前からなくしてしまいたい気持ちもある。
だからあればあるだけ食べ切ってしまう。

食べ癖で見えてくることを考える

人それぞれ違いはあれど、
どこかしら「共通点」があるように思う。

私も、書き出すことで見えてきたことがある。
(ご覧になったみなさんにも、見えてしまったかもしれない…)

「消えるおいしさ」
で書かれていることが、
私にもよく分かる。

自分で決めた「よい食べ物・悪い食べ物」は、
明確で厳密である。

が、過食するときはたいてい、
「悪い食べ物」
が必須になってくる。

むしろ、
「悪い食べ物」
であることが重要である。

私の場合、
悪いことをしている自覚はあって、
だからこそ悪い物でいいし、
悪い物の方が「都合がいい」

これが本の中で、
「キャベツで過食ができない理由」
として登場する。

特に心に残ったわけだが、
今後「ふつうに食べる」上で、
直面することが必須だと感じたから。

私の、あなたの過食は、
なぜキャベツではないのか。

ただふつうに食べたいのに、
食べられない。

ただふつうのものを、
ただふつうにおいしく、
ただふつうの量を食べることが、
こんなにも難しい。

そして、こんなにも苦しい。

このリスト作りは、
向き合うのが辛くもあるが、
その過程で得られるのは、
ちょっとした光かもしれない。

本「なぜふつうに食べられないのか」を読んで思う、認知の歪みと現実逃避

認知の歪みと、認知行動療法

許せない辛さがある。
認められない辛さがある。

許してほしかった。
認めてほしかった。

私が私として存在していることを、
ただ、事実として受け入れてほしかった。

私の場合、
これは、特に母に対してだが、
自分自身に対してもそうだ。

許したくて、
認めたくて、
自分で自分にルールを課して。

守るはずができなくて、
自分で「できなくして」、
自分で自分に罪と罰を与えて、
でもそれをせずにいられなくて。

だから、ずっと地獄。

矛盾するようなそれは、
でも絶対にセットになっている。

認知行動療法についても、
本書に登場する。

過食とは切っても切り離せないと感じていたから、
納得するとともに、
それが分かっていてもうまくいかない、
それだけ難しいことなんだと実感する。

認知の歪みが、
自分を苦しめる。

認知行動療法については、
こちらの2冊がよかったので、
気になる方にはおすすめしたい。

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現実逃避と、代用できないこと

食べている間は何も考えなくていい。
現実逃避できる。
これは、過食する大きな理由。

食べることでしか解消できない。
他のことで代用できない。

なぜ代用が難しいのか、
その理由も本書に書かれている。

代用できないそれは、
苦しみが伴うのに、
やめられない。

時に、
「助けてよ」
と泣きながら食べるのは、
私にも経験がある。

食べたくなくても、
おいしくなくても、
気持ち悪くても、
詰め込む作業をしてしまう。

そんなにまでして、
なぜ、食べるしかないのか。

食べることでしか埋められない、
心の隙間がある。

だけど、

過食は続ければ続けるほど孤立を生む、悲しい祝祭なのである。

と書かれている通り。

ほんの一瞬の現実逃避は、
とても長く続く苦しみとセットだ。

救いだったはずのそれは、
決して自分を救ってくれない。

が、

本の中で一人、
食べることにこだわり、
「それで自分を保っていた」
であろう人がいた。

印象に残ったその人の食事は、
それが奪われたことで、
心身のバランスが崩れてしまったように思えた。

真実は分からない。

まとめ:本「なぜふつうに食べられないのか」を読んで、食べるに食べられてしまった私

ふつうに食べられなくなったことで、
食べることに支配される人生。

自分の中の「食べる」が、
自分を覆い尽くしてしまう感覚。

食べることが常に頭の中にあるというより、
「食べる」に「食べられてしまった」ような。

私の一部だったはずのそれに、
食われてしまった。

私は私を取り戻して、
ふつうに食べられるようになりたい。
ただ、食べることが大好きで、
楽しかった私に戻りたい。

ふつうに食べられなくなった私を受け入れて、
前に進みたい。

もし今あなたが、
ふつうに食べられていないのであれば、
それがつらく悲しいものならば、
この本がそれを変えるかもしれない。

ふつうに食べられないことで苦しみ続けるより、
それで自分を責め続けるより、
本を読むことはつらくないはずだ。

少々つらくても、
その価値は大きかったと、
私は思う。

最後の注釈にあった文章は、
今まだふつうに食べられない私には、
ちょっと救いのある内容だった。

むしろ本書が着目したのは、アルバースの言うマインドレスな食をいくら繰り返しても、多くの人がふつうに食べることができることの不思議さである。

ふつうに食べられないことが、
おかしなことではなく、
ふつうに食べられることが、
「不思議」であるというのは、

「あなたはふつう」
「あなたは大丈夫」

と言ってもらえたようで。

だから、
自分の存在を否定しなくて大丈夫。
ちゃんと「いる」から。

ここまでお読みいただき、
ありがとうございます。

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まなき
ミニマリストの途中。服飾専門学校卒でアパレル業界勤務経験アリ。洋服のお手入れ、お直し、心や部屋のお掃除の話など徒然。

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